では準備も整った感じですので、この辺から競技OC設定に挑戦していきます。
実はこのメモリ、随分と前に動画で簡単レビューしてましたが、その時はXMPを主体としたライト設定だったのでよく調べてませんでした。
2セット手元にあったので、今回はちゃんとペアリングしてみると・・・
結果から報告いたしますと、CL14で4800MHzまでベンチ走らせる事が出来ました。
競技用でもないのにHOF Ⅱくん、よく頑張りました!
ちなみにOS上のメモリ電圧はMAX2.0vと凄く低電圧です。
ちゃんと冷やしたら回りそー
以下、今回の設定となります。
画像と合わせながら解説していきたいと思います。
Boot BCLK設定ですがOSブート時は100MHz(Mem4800MHz)から98.00MHz(Mem4704MHz)に落としてあります。
OSが起動した後にソフトウエアでBCLKを98から100MHzに戻す流れです。
板(特にRTL)との相性だと思いますが、このメモリクロック4800MHzブートが鬼門のメモリが結構あります。
我が家の他のメモリの中にはBCLK100のまま問題なくブートする個体もありますが、CL14で5000MHzを軽く超えてくる高耐性メモリですらこの4800MHzブートの時だけひっかかったりします。もちろん、この『98MHz BCLK起動』は4800MHz域だけではなく、目標のメモリクロックにあと少しでブートできない場合にも有効です。
CPUやCacheは40倍固定に設定しています。
メモリ電圧はA0、A2-Bdie共に上限2.0v以下でOSブートが好ましいでしょう。
よく使われるブート電圧は1.85vから1.98v付近だと思います。
OS上のメモリ電圧は2.0vから2.15vの間で調整。
標準的なA0と比べても高電圧に反応する感じです。(冷却具合でも変化あり)
CPU VCC IO Voltage→A2では比較的低めを好むメモリが多いです。1.25v~1.35v
CPU Sistem Agent Voltage→1.35v~1.5v
BCLK Frequency : DRAM Frequency Ratio
ここもメモリやIMCとの相性があり4800MHz以上ならautoのケースが多いのですが、4000MHz~4666MHzくらいだと100:133に設定した方がブート確率が格段に上がる場合があります。
DRAM VTT Voltage
A0-Bdieもそうですが基本的にVTT電圧はメモリ電圧の半分前後がが基本です。
ですが、A2-Bdieの場合は低めの電圧を好む個体が多いため、0.875vから0.925vくらいの間で調整しています。
DRAM Timing Control
競技OC設定には鉄板のメモリOC設定が存在しています。
ご存知のお方も多いと思いますがA0-Bdieの場合、競技に勝てる鉄板設定はCL-12-11-11-28-1またはCL-12-12-12-28-1@4000MHz以上といったところですが、A2-Bdieにもソレは存在していて、世界大会などでも勝つ基準にもなっているCL14-13-13-28-2またはCL14-14-14-28-2@4600MHz以上は欲しい感じです。
このBIOS画像は今回のHOF Ⅱ 4000メモリでの設定値ですが、よく使用されるA2-Bdieの設定範囲も併せて記しておきます。
チューニングをする上で優先順位的に早めに試しておくべき箇所は、画像に赤印をつけてあります。
DRAM CAS# Latency →14
DRAM RAS# to CAS# Delay →13~14
DRAM RAS# ACT Time →28
DRAM Command Rate →2
DRAM RAS# to RAS# Delay L →4~7
DRAM RAS# to RAS# Delay S →4~6
DRAM REF Cycle Time →180~280
DRAM REF Cycle Time 2 →A
DRAM REF Cycle Time 4 →A
DRAM Refresh Interval →(設定できる最大値)
DRAM WRITE Recovery Time →12~16
DRAM READ to PRE Time →6~8
DRAM FOUR ACT WIN Time →16~19
DRAM WRITE to READ Delay →4~6
DRAM WRITE to READ Delay L →4~6
DRAM WRITE to READ Delay S →4~6
DRAM CKE Minimum Pulse Width →3~6
DRAM WRITE Latency →11~14
tRDRD_sg →6~7
tRDRD_dg →4
tRDWR_sg →10~12
tRDWR_dg →10~12
tWRWR_sg →6~7
tWRWR_dg →4
tWRRD_sg →21~28
tWRRD_dg →16~22
tRDRD_dr →4~7
tRDRD_dd →4~6
tRDWR_dr →10~12
tRDWR_dd →10~12
tWRWR_dr →4~6
tWRWR_dd →4~6
tWRRD_dr →4~6
tWRRD_dd →4~6
TWRPRE →28~32
RTL IOL Control
今回は62:63:13:13/IO_Latency_offset19:18にしてあります。
Piでは結構差が付きますが、フルコアフルスレでブートが不安定になるようならフルautoでもいいと思います。
Super PI 32M
さすがにCL14@4800MHzは厳しかったので4666MHzまで落として完走。
それでも大したもんだと思います。
レイテンシ等は画像のMem Tweakit参照。
IC
今まで数多くのSamsung Bdieに携わらせて頂いた感じでは、次のような特性があると思います。
2016年産Bdie いわゆるOld Bdie
電圧と温度にシビア。
個体差は激しいが当たり個体は非常によく回り安定していてる。
電圧スポットは1.90v~2.03vだったりと低電圧でもよく回る。
10度前後を保てばきっちり仕事してくれる。
2017年産Bdie
温度に関して零下まで凄く冷やせる個体と温度ではあまり変化しない個体と混じっている。
この年代も非常に良くて当たり個体も多い。
しかし、限界近くなるとピタッと頭打ちする。
温度域が広くてかなり温かい温度でも変わらず安定している。
安定感では抜けている。
2018年産Bdie
高電圧好きの個体が多い。(MAx2.2Vなど)
温度も零下まで冷やせば更に電圧を受け付けてくれる。
不安定な性格だが伸びしろも大きく、いきなりものすごい領域でベンチが走ったりする。
完全に競技向け。
というイメージなのですが今回のHOF Ⅱくんは728と734でした(17年28週と17年34週)
SPDは18年ですが・・
もしこいつが冷えに強い個体の方なら更に化ける可能性ありますね。
というかもう十分、良いOCメモリですけど。
おまけ
Trace CenteringをEnabledにする事でA0-Bdieでよく使われる4133起動パイ最速設定でも起きてきました。
随分と前から放置されていたHOF Ⅱくん。
なんか一般的なA2メモリないかな~?と適当に選んでCL14だと4000MHzとかで動くんかな?くらいに思ってたので、ビックリしました。
どこかで適当にもらった奴で選別品でもESでもないはず。記憶にもありません。
当時は高耐性A0メモリ全盛期でしたからね。
うちのだけなのか?たまたま当たりなのか?よくわかりませんが
コレ、この先、ちゃんと温度管理して冷やしたら十分に戦力になるレベルかもです。
まあ、使ってる石のIMCが強いのかもしれないけど・・・(ここ重要w)
当たりハズレも激しそうですが、そういうとこもHOFらしい。
夢があって好きです。
次はCL14@4800MHzから5000MHz超えのベンチ&設定かな。
Z490が定着してからが良いのか?時期がビミョーだなw